オンリー・ゴッド

レフン監督映画感想記事です。わりとほわっとしたネタバレありますのでネタバレ一切ダメな方はご注意ください!(多少のネタバレっぽいものが大丈夫でしたら未見のかたも読めます)

ストーリー

タイにはびこるアメリカン・マフィア。許せぬ悪は俺が殺る!

感想

レフン監督映画は「ドライヴ」を午後ローで見かけ、なんだこれは!と度肝を抜かれ、そのままBD購入にいたったレベルでしか見ていないのですが、この『オンリー・ゴッド』……本当に何の予備知識もなく、なおかつ学がない私には『ああ…真面目でオシャレなリトルトウキョー殺人課や…』という、なんだか人としてあるまじき感想にたどり着きました。歯切れの悪いジョークとかじゃなくて…結構本気で…
インターネットは頭の悪い感想さえも飲み込むべきだ!という持論のもと、けっこうがんばって検索したもののリトルトウキョー殺人課とオンリー・ゴッドについて触れてる記事が見当たらなかったので書きます!俺が…俺たちがインターネットだ!(ドン!!)

さて、哲学的なアレとか細かなストーリーに言及してる頭の回転が速そうなブログは世の中にたくさんあるので検索していただくとして(おもしろい記事がたくさんありました。ありがとうワールドワイドウェブ)、「オンリー・ゴッド」やっぱりリトルトウキョーなんですよ。とびきりおしゃれで、その作品と同じくらい刺激的。また、同時にボボボーボ・ボーボボ(澤井啓夫作品)の側面も持っています。

圧倒的な暴力ですべての悪を叩きのめし、跡形もなく、人権もなく、消し去ることのできる人物が物語の中で異彩を放ち存在している。そう、まさに“オンリーゴッド”!彼の一言で、その手の動きで、視線で、小さなしぐさだけで、はじまりもおわりも含めてすべての物語をひねることができる。すべての世界は彼の手のひらの中にあるのです。われわれが目撃する画面には、常に“神”が光臨している。神のみが許される縦横無尽な振る舞いの直後、ものすごく唐突に神によるカラオケ(歌)なんかもはじまります。いったいこれのどこがボボボーボ・ボーボボじゃないって言うんですか。おしゃれなリトルトウキョー殺人課であると同時に、21世紀のボボボーボ・ボーボボでもあるんですよ。よく分からないと思った皆様はぜひどちらの作品も読んでください。オンリーゴッド、リトルトウキョー殺人課、ボボボーボ・ボーボボ。正気です。21世紀とか書きましたけどボーボボは21世紀になってから連載した作品です。すいませんつい!

究極の言葉で綴れば「なんかすごい神様(とてもこわい)が罪を犯した人間を地上から消し去り、一方で赦しを請う憐れな人間はそのやさしさで赦してあげた」話です。ポエムみたいになりましたが本当なんです!ポエムみたいな映画でした!!
具体的には、ボクシングジム経営しつつ裏では覚せい剤とか流通させてる主人公、未成年の女の子を殺めた兄貴、その兄貴を殺す女の子の親父、主人公の兄貴が死んだことを知ってブチ切れながら緊急来タイする主人公の母(覚せい剤の王みたいな人)、見た目は警察官中身は神!その名は!すごく怖そうな人!!といった感じの登場人物で物語が構成されていきます。もうお分かりですね。警察官兼神みたいなアジア人のおじさんが背中に忍ばせた真剣?マチェット?――しらんけどこんな長い武器潜ませとくの無理じゃない?…無理じゃないんです。ボーボボの首領パッチだってどこからともなく首領パッチソード(ネギ)を取り出します――とにかくなんだか知りませんがすごいやつでばっさばさ!(BSの包丁CM風)治安を、罪を、彼らの生きた証を、すべてを消し去ります。彼に逆らうことなどできません。神なので。神の子に手を出すことができなかった主人公。神の子なので。そしていろいろあって神と対峙した主人公、本当に何もできずボコボコにされ敗北します。『神』に勝てるわけがないのです。

そしてみてるこっちが引くくらいマザコンな主人公、なんていうか、マザコンって言うか…マザコンってワードだとたぶんちょっと違うというか・・母の呪いを頭からかぶって継ぎ足し秘伝のたれを30年以上がっつり漬けられたみたいな…わかりやすくいうと瓶詰めになってるいつ作ったかわからない白くにごったホヤみたいな人なんですが(なんだこの表現)、見た目よりもずっとこれ以上ないくらい異常な愛情に浸りきっておりまして、最終的に主人公は物語の終焉を迎える前に、自らの腕で母の子宮を求め(※非常にやさしい表現です)、胎内回帰システムが発動したころ神のもとへ出向き自らの裁きを求めます。断罪!断罪!また断罪!!そして神の賛美歌が流れる~ふつうのカラオケ~

レフン監督、すげーよ。なんかもうよくわかんなかったけど、画面の色合いとかはやっぱ好きだよ。ただこれタイを舞台にした(しゃれじゃないよ)ロケ地ほぼタイ!みたいな映画なんですが、それでこの画面構成、カラーリング、演出って、あれ・・?レフン監督ってこのあと日本で映画撮りたいって言ってたよね……?と固まってしまうわけです。タイでこれだぜ。日本で撮ったらどうなるんだよ!めっちゃ楽しみかよ…。レフン監督!八百万の神いますけど大丈夫でしょうか!オンリーというわけにはいかなさそうなのですが!!たのしみです。

にしても、主人公の胎内回帰願望強すぎて「お前…そんなに還りたいんか……」と思いました。私に還りなさいどころじゃないだろあの願望レベル…そしてその腕は…(xxx)(ところでラストのとこコマンドー思い出さない?)
あとこれ特に前半シュールギャグって解釈してもセーフですか!?なんていうか批評や感想みたかんじこの映画をギャグ方面で受け止めてる人みかけなくて…私はこれ相当高度なシュールギャグだと思うんです。彼の神の裁きはボーボボによる鼻毛真拳奥義と同じだと感じます。
あとひたすら歩くシーン多くて…映画ごと哲学みたいな…なんていうかだめな人は圧倒的にだめな映画ですけど、途中の椅子座ってるとこにザク!ザク!ザクザク!(※とてもやわらかめな表現です)のシーンとか好きです!ドルフラングレンの「レッド・コマンダー」を思い出しませんか?思い出しませんね。私は思い出しました!あれは敵の脳天にドラムスティックをぶっさしていましたが…なんかここまで書いて自分の見た映画がひどいんじゃみたいな気持ちにもなってきました。

そんなわけなのでレフン監督が繰り出す圧倒的な残虐・暴力表現に一目置いてるかたは必見です!私ホラーやスプラッター系は苦手なんですが、レフン監督の暴力表現はすっきりシンプルで好きなんだよな…。内臓ドカーンとかじゃないから…?どろどろしてないから?暴力表現って凝るよりシンプルなほうが恐ろしくありませんか?いやえらいことになってるのもドカッと出るんだけど…。演出効果かな?
「ドライヴ」は主人公がトンカチ持ってあきらかにヤバイ顔してるとこすきでした。「オンリー・ゴッド」の暴力は…うわぁ~この世界の神やばすぎやろ~横暴だ横暴だ~!みたいな目線で見れたからかなあ…。
あと圧倒的暴力もやばいですけど、黒より黒そうな空間に手を伸ばす主人公の構図が美しすぎませんか?ブラックホールでもあんのかよ!ってくらい暗い!ほの暗い水の底からとかいってる場合ちゃうかった!はあ~~~黒い…黒い…。あと店内レイアウトがいちいち…あれ実在する店舗とかで撮影したらしいけどタイやばすぎだろ…。それと女の子の自慰を目の前で見る主人公…母の呪いは果てしない…なにしてんだ主人公…はっ・・オンリーゴッドは神の力を借りて母から解放される物語だった…?(哲学)

というわけでけして万人にはおすすめいたしませんがレフン監督気になる方はぜひ!この感想みて気になるワードがあった人もぜひ!ぜったい好み分かれるのでレンタルで!(いやセルかってももちろんぜんぜんOKだと思いますが未見でこの円盤買うのいろいろと強そう・・)オンリーゴッドあかんかった人はドライブみればいいし!ていうかどっちもみてください!俺が撮りたいから撮ったんじゃ映画です。ドライブはもうちょい万人向け。んでもってレフン監督、日本で映画とるときはHIDEO巻き込んでくれ~!!(むちゃくちゃ)(6万円メガネだけ出演とかしてほしい・・・)

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