キンプリ(KING OF PRISM)を観ました

それは突然やってきた

ある日、信頼できる友人網(アニメ畑)からオススメされた「キンプリ」。話を聞いている限りではたぶんひたすらやばいんだろうな…と思ってはいたものの、春の原稿もあるんだよな…と踏ん切りが付かず。
…が、直後に違う筋の信頼できる友人網(舞台畑)からもキンプリを勧められたのです。この出来事は私にとって衝撃でした。なぜなら私の知る限りこのふたつのジャンルはお互いが近いようでいて遠い存在だったから。それぞれの作品を薦められることはあれど、ジャンルの特性上作品タイトルが被ることはありませんでした。
私の周囲で(重要)アニメ沼の人も舞台沼の人も満足させられる上に人に勧めたくなる劇場作品……一体どんな作品なのだろう…?

そんなことを思っていたところ、このツイートを見かけました。

ご存知の通り私の脳細胞は『ボボボーボ・ボーボボ』という澤井啓夫先生による素晴らしい作品を基本栄養素として構成されているわけですが、なおかつ今もBSの遊戯王を視聴しており、イナズマイレブンを毎週視聴していた過去を持ち、幕末Rockの舞台は初演・再演ともに足を運んだ(再演に至っては遠征もした)ユーザーである私こそ観なければならないという決意をしたわけです。なんてピンポイントなんだ。

ちなみに私が映画を観る前に観た動画はこれです。


ヒロアンドコウジって芸人かよ!とかいうツッコミは置いておいて、この動画、まあ90秒なら…と何の気なしに最後まで観たんですが90秒じゃないんですよ。登場人物の一人「速水ヒロ」さんがさわやかにあれっ90秒越えちゃってた?ごめんごめん!みたいなテンションで声をかけてきてすごく怖いです。さりげない狂気を感じます。キンプリの力を感じる…。

「キンプリ」の衝撃

さて、「映画 KING OF PRISM by PrettyRhythm」(通称『キンプリ』)は3人グループ「Over The Rainbow」(ファンの間でオバレと呼ばれている)のライブシーンからスタートします。なんだかわかりませんがものすごい観客数です。キンブレ(光る棒)で光り輝いています。

事前情報を殆どもたない私は「男性(おそらく10代)がアイドル衣装でスケート靴を…?よくわからないけど、光GENJIみたいな感じかな?にしても最近の3DCGとモーションはすごいな!」と思っていたわけですが、次の瞬間には堕ちていました。
目の前で起きている出来事(しかもまったく止まる気配がない)と自分自身からあふれ出るどうしようもない笑いの衝動を抑えるために自分の首の皮をつねり続けました。実際に何分なのか知りませんが体感では5分ぐらいだったでしょうか。余りに長い5分間。意識のどこかで『早すぎる』と感じる5分間。2016年に入って最高の5分間。
私は目の前で繰り広げられる「Over The Rainbow」の『プリズムショー』に手を握り締め、首をつねり、歯を食いしばらなければならないほどに圧倒されました。いわゆる“プリズムのきらめき”に叩きのめされたのです。

具体的にどう圧倒されたかは正直言語化が不可能なのでとにかく映画を観てくれと投げたいものの、それをやると残りの55分間についても『キンプリを観ろ』としか言葉が生まれず……。
私がその5分間でかろうじて強く意識したことは、ピンク色の字幕(台詞が表示されるが無音のシーンがある)は観客が自分でアフレコをしろという制作陣の“想い”であり、自転車の二人乗りは“道交法違反”であるということです。

同時に、青春おでんがEDだった頃のイナズマイレブンを初めて見たあの時の衝撃や、なんの注意書きもなく唐突に始まるボーボボワールドを土曜19時台のゴールデンタイムに体験してしまった時のアツい気持ちが全身に駆け巡りました。あとコンマイ産のテニス乙女ゲー要素もあったかな…
この気持ちをあえて言葉にするならば『なんかやばいしすごいものを観た』という感覚です。隣に座っていた方(男性二人組)が小刻みに震えていました。私は購入したチョコ&ストロベリーにチュロスがぶっさしてあるホットなカップ(冬季限定とのことですがとても食べづらい)のことなど次元の向こうに忘れ、ひたすらスクリーンに視線を送りました。

圧倒的暴力

そのあともラストまでジェットコースター、最初の5分で鷲掴みにされた観客ができることはもうなにもありません。コースターに乗り、振り落とされないようしがみついているだけです。あまりにも唐突に登場する新キャラクターたち。雑すぎる場面転換(ぶつ切りBGMも含めて味があって最高!)。昨年公開されたアクション映画「キングスマン」を彷彿とさせる同時進行シーン。いわゆるイナズマイレブン寄りの足技も健在です。というかカヅキ先輩(オバレメンバーの一人)シーンはだいたい1223!イナズマイレブン!です。あと遊戯王です(※ただしあくまでもカヅキ先輩のオリジナリティで強く構成されています!!!すごく格好良いです!!!!カヅキさんが筋肉に負けるわけねえだろ!!!)。

制作陣がやりたいこと、みせたいこと、したいこと。全部を59分間に詰め込み、押し込み、たたき込む。ダンス、ステージ、日常パート、シリアスシーン、ドラマ、お風呂シーン、負債、ハリウッド、葛藤、交通事故、渡米、そしてE.T.…。何もかもを出して出して出して突然カットが変わり物語が進んでいく。それがいい。それこそがいい。これはいったいなんなんだなどと考える暇があるのなら目の前の現実を理解しろと作品の全てが強く前頭葉を破壊してきます。ツッコミどころのオンパレードなのに作中で誰一人ツッコミ役がいないこの感情は、リトルトウキョー殺人課をはじめて観たときと似ています。エクスペンダブルズ3後半の終わりなき銃撃戦がひたすら続くあたりにも似ています。観客はただただ圧倒され続けるひとつの【エレクトリカル・パレード】。約60分の間、私はプリズムのきらめきに導かれるままスクリーンに映し出されるプリズムスタァを見つめ続けました。例え尻と蜂蜜のビンがアップになったり、赤い糸で結ばれ(縛られ)たり、主人公が唐突に全裸になろうとも…。

“わたし”としての主人公

ここまでの話で主人公の話をまったくしていませんでしたが、実は冒頭から登場しています。初っぱなからスタートするオバレのライブを初めて見に来たひとりの観客として現れた彼、「一条シン」さんです。
初見の私と同じく「なんかアイドルみたいでスケートをするらしい?」という知識しか持たない主人公。私と同じように衝撃を受けつつ、『これがプリズムショー…!』となぜか全裸で(※感情の表現です)圧倒される主人公。オバレメンバーによる、顔を覆い隠さなければとても直視できないタイプのあらゆるハート♡アピール(※乙女ゲーっぽいやつ)に真っ向から立ち向かいいろんな意味で貫かれる主人公。(ご想像にお任せします)
そんな彼はプリズムショーを観てからというものの「世界がキラキラして見える」ようになり、この感動をもっとたくさんの人に伝えるため、自分もメンバーの一員になろうとプリズムスタァの事務所への入所を決意します。
この主人公の気持ちが分かるんですよね。数々のドルステを知り、時には謎のゲストに積極的にサクラ(※自然発生)をし、いつの間にかキンブレの高速カラチェン技術やイープラスでの流れ分確保テクも習得。シブゲキは本当に最高だぜ!アイアだけは勘弁な!(さようなら青年館、最近行ってないなTDC)という経験を持つ私としてはひしひしと伝わってくるんです。

たしかにキラキラした世界は存在している。
観るだけで自然と笑顔になるステージ。

すっかりわすれていたあの頃のキラキラした気持ちが、『キンプリ』にはある。
それを伝えたい。

そんなキラキラした気持ちで書きました。もうすぐ終わってしまう『キンプリ』。ぜひ観てください。
あとなんか楽曲が小室哲哉さん手がけてるやつがあってすごいのでとにかく観てください。
それとなんか筋肉勝負を仕掛けてきて最終的に筋肉が6つに割れていることを強く主張し始める大和アレキサンダーさん(すごい名前だ)の声が今をときめく武内駿輔さんだったのでそちら方面の方もぜひ観てください!!!ちなみに私の推し(?)はその武内アレキサンダーさんと戦うカヅキ先輩です!!!かっこよくていい人オーラがすごいぞ!(あとベイブレードしてそう)

ご報告

この記事がただの序章だった(全42巻を序章と言い切ったテニプリ並みの発言)と言い切れるほどのインパクトがありそうなキンプリ応援上映のチケットを取りました。生き抜けるよう原稿頑張ります!!!!!!!


応援上映のPV。絶対にヤバイやつだ・・・キンブレ探さなきゃ・・・・・

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