オタクがインターネットにいると「ネットが炎上(物理)」「ボールを同時10球以上ラリーする」「コートに何十人も同時に入ってる」「テニスでコンクリがえぐれる」くらいの情報はなんとなく入ってくる『新テニスの王子様』。元々テニスの王子様を本誌リアルタイムで見届け、JASRAC申請中の文字を見て五体投地し、許斐剛先生のライブに行く程度には嗜んでいるのですが、新テニスの王子様は10巻辺りでとまっていました。
止まっていると言っても新刊は発売するたび購入し(信仰心)、ある程度分量がたまったら一気にいくぞ!といういわゆる「労働が忙しい時の積みゲー」のような感じになっていたのですが、30巻くらいまで溜まったある日連絡が入りました。
「新テニおもろい」
連絡をくれたのは弟でした。幼少期よりだいたい私と同じ作品を読み続け、今でもアニメボボボーボ・ボーボボのラジャ、OK?の発音ネタが通じる彼は、数少ない信頼できるレビュアーでもあります。
その弟がおもしれーよとわざわざ連絡してきた新テニ。私はその日のうちに10巻から最新刊まで読破し泣きました(行動の早いオタク)。
これもう何を言ってもネタバレになるし、誰々戦のところからが特にアツくていいよなみたいな情報すら入れたくないんですよね。人に。
新テニスの王子様、これ次に誰が戦うねんみたいなのも含めて情報入れずに一気にがーって読み進めるのが1つの醍醐味でもあって、誰がどうとかここで1ミリも言及したくないので言わないんですけど、あのね、ジャンプ完結作品の続編としての「新テニ」、いわゆるキン肉マンに対するキン肉マン2世みたいな立ち位置だと思うんだけど、キン肉マン2世は超人オリンピック戦であれをやったじゃないですか、まぁこれもネタバレになるんでここでは言わないんですけど、それと同等のレベルで『続編を描いた意味』が写し出されていてマジで泣いたんですよ。いやほんとに、ジャンプのセオリーとか、友情努力勝利とか、その辺を雑に頭に入れた上でこのキン肉マン2世や新テニスの王子様を読んで欲しい。あとこの無印テニや新テニが連載されている間ミュージカルテニスの王子様が上映されていたという事実も頭にブッ込んで読んでほしい。もはや伝統芸能と化したミュージカルテニスの王子様がこの間にテニスの王子様のストーリーを初めから最後まで繰り返し3度も通して上演された、その事実を頭に入れて読んで欲しい(オタク特有の早口長文だ!!!!)。
新テニスの王子様、芸術なんですよ。ロッキー1からロッキーファイナルまで見た後にクリードを見たときの衝撃と限りなく近いんですよ。衝撃の種類は少し違うんだけど、スタローンも許斐剛先生もゆでたまご先生もさ、ねえ、わかりますか?伝わってます?これ…
新テニスの王子様、序盤の方で丸井ブン太くんが異様な信仰を見せていて(誤解を招く表現)びっくりしていやなんやねん丸井ブン太…ヤバい奴やんけ…となっていたんですが、なんていうか、わかります…この気持ち…?(?)
あと本編の物語とは関係ないんですけど、許斐先生が突然途中でデジタル作画になるのもめちゃくちゃ良くて、だってアナログての漫画作業あれだけの期間やってきたプロの先生が連載中にデジタル作画に切り替えて、許斐先生はやっぱりいつでも新しいチャレンジをしていて…だんだんこなれていく様を見られるのも最高なんですが、いやまってこれマジでネタバレなしで一体何を伝えたらいいの?
とにかく新テニスの王子様を読んでください。テニスの王子様を1巻から42巻まで読んでその後新テニスの王子様を1巻から最新刊まで読んでください。以上です。