クリード 過去の逆襲

クリードの新作がやってきました。もうクリードも3!?時が経つのは早いな〜。
人混みが苦手なので映画館は基本的に平日の空いている時間に利用するんですが、平日昼間とはいえ観客が自分含めてたった3人しかおらず泣きそうになりました。5/26公開なのに6月中旬で公開終了…。うーん。そんな、何もかもひどすぎるような物語ではなかったんだけどな……

映画『クリード 過去の逆襲』オフィシャルサイト

5月26日(金)公開 映画『クリード 過去の逆襲』オフィシャルサイト。

あらすじ

チャンプとして華々しく引退したアドニス・クリード。引退後悠々自適な生活を送っていたアドニスの元に過去の知り合いが訪ねてくる。それはアドニスが犯した過ちを知る人物だった。


ド直球にブラックスプロイテーションっぽさ全開な作品になった本作。スタートからドジャースのユニで42です。ある程度野球を観ている方ならご存知だと思いますが、MLBでの背番号42というのは全球団の永久欠番で、ロサンゼルス・ドジャースに所属したジャッキー・ロビンソンの背番号を指します。彼は黒人が排除されていたMLBで初めてアフリカ系アメリカ人として活躍したスター選手で、素晴らしい成績を残したことで後の黒人選手の道を切り開いた人物。そんな黒人の歴史を紡ぐロビンソンのユニを着ているデイムとアドニスのカットからスタートです。

この…「お育ち問題」についての話は本当にシビアだなという感想がまず真っ先に来まして…これでもかというほど見せられるアドニス・クリードくんの豪邸。パラサイトかよ。資本主義に!(MGS3)それに対して久しぶりのシャバの空気☆デイムくんはワンルームっぽいアパートで特訓。対比が辛い。
同じ施設育ちの暴力解決筋肉兄弟から、クリードくんはたまたまパパがアポロ・クリードだったという理由で人格者であるクリードママ(血の繋がりはない)に引き取られますが、前科持ちで人に銃を向けたデイムくんは18年の刑務所送りに。しかもクリードくんはデイムくんが銃を向けた現場から逃走し、たまたま警察送りにならなかった身。そもそもアドニスくんがおっさんを殴ったことで起きたトラブル。ただそのおっさんは自分が施設にいるときに暴力を振るい続けた最悪な担当スタッフで、デイムも同じ施設で暴力を受けていた経験を持ちます。

あらゆる罪悪感で苦しみ続けるアドニス・クリードくん。でもその後もスーパー人格者ママに育ててもらったアドニスくんはやっぱり所作や振る舞いが全部良いお育ちに矯正されていて、大手企業に入社→無断で退社はしていますが、その後最愛の人と結婚し子どもも生まれ……ママの愛情と努力を感じるわけです。一方のデイムくんは出所後浮浪者ルックかつアドニスくんの高級車にて待ち伏せ。なんだこの空気は。この辺りの空気マジで厳しくないですか。学生当時地元で仲いいクラスメイトだったけど今はあまりにもあらゆる立場が違いすぎて言葉の一つ一つをものすごく選んで地雷を踏まないようにする最悪な緊張感がずっと続くんですよ。終わりの空気すぎる。要するに白木屋コピペの最悪版なんですよね。ジャパンのスラム出身である私は白目むきながら観てました。助けてくれ。どうしたらよかったんだよアドニスとデイムは。人類、親も育ちも選べねえんだ。

それでも同情の気持ちがありデイムの面倒を見ることにしたアドニス。明らかにお育ちアカンやろ問題が色んなところに出てきてアドニスの周りからは「こいつ地雷案件だろ…」という話がガンガン出てくることになりますが、それでもアドニスはデイムのことを見捨てません。まあ…見捨てられないだろうなあ(この辺『子供時代の黒人ネットワークから抜けられない黒人』も描いてる感じなのかな?それを断ち切るためにこっちでいう『私立に入れるお受験ママ』的な要素も含めて)。

施設で暴力を受けている時自分の味方でいてくれたのはデイムだけ。デイムもデイムであらゆる行動に褒められたものではないアクションが含まれすぎているんですが、それでもアドニスの家にお邪魔した際には奥様に花を持ってきたりはするわけです。ほんとそれの数倍アカン態度は多数あるんですけど(難聴が進行して歌手として人前で歌唱できない人間に「それどんな気持ち?」って聞くのマジでやべーだろ…想像力ゼロか?)じゃあデイムって全部が悪人なのかよというとそうじゃなくて…いや途中の海の近くでイキってるあたりとか普通にカスなんですけど、でもさ…と葛藤します。まあ人間なんて誰でもいいところ・悪いところ両方ありますからね。もちろん銃口を相手に向けたのは超えてはいけない一線を超えていますが。
あと海でデイムがアドニス殴ったところ、アメリカは訴訟社会なんだから普通に訴えたらいいのでは?アドニス金持ちだし顧問弁護士いんだろ??と思いました。ストーリーがアレになるけど。
それと、これ結局ボクシングを私物化してる気もするんですけどどうなんでしょうか。チャンピオンベルトの価値が雑魚すぎる。ヘビー級チャンピオンってそんな年齢高めな人たちで気軽に争えるアイテムなの…?私はボクシングファンではないのでよくわかってないんですが…うーん?

デイムについて。『無名貧困街出身で過去に良くないこともしたが運で選ばれチャンピオンを倒すチャンスを得る』という流れだけはロッキーと同じ道ですが、同じ道をなぞっていても【ロッキーは卑怯な手を使わず真っ向勝負】【デイムは姑息な手段を使ってでも勝ちにこだわる】という大きな違いははっきりと示してくる本作。金持ちには負けねえって言ってんのが…私は完全にこっち側の人類なのでこういうの…そうだよなってなっちゃうんですけど…金持ちには負けねえ!って戦おうとする、その姿勢は好きだよ……私は。それ本気で頑張らないとどうにもならない時があるのを知ってるから。世の中金には勝てないように出来てるから。デイム、どんな生まれでもどんな育ちでも人生の選択を誤っても友人に見放されても、ずっと努力はしているんだよな。あんな肉体作り上げてさ。

細かいところは…アドニスが特訓するシーンはアポロオマージュを大量に仕込みまくっててなんかよかったな。ちょっとパンチパーマみたいなんだよね。ヒゲもそうやって生やすとアポロパパみたい。海でのJKキャッキャシーンオマージュも入れるし。ただそこに至るまでのカタルシスみたいなのが薄いので、そう…って感じもあります。ドラゴJr.の扱いも雑〜!でもコンランが再登場してくれた上にスパーまで手伝ってくれるのかわいい。コンランにかわいいとか言う日が来るとは思ってなかった。
あと作中で試合組んで金儲けしてるアドニスのシーンもアポロパパオマージュなのかしら。いろんな試合組んでビジネスしてたもんね。私は好きですよ。人にはそれぞれ生活があるから。

あと作中でロッキーの名前が一切出ないのは正直違和感しかないし(あの情に厚いロッキーがアドニスママのお葬式に来ないわけないんだから亡くなったんなら亡くなったって言っていいのでは…)、映画に関われなくなった理由がスタローンとプロデューサー云々みたいな話なのでストーリー…うーん?とは思いますがロッキーに触れずにロッキーを語ろうとしたスタンス自体は好きです。語れてるようで語れてないとは思うけど。でもこれだけ見るとアドニスくんちょっとひどくない?ロッキーはどうでもいいのかよ?

そうそう!アドニスの奥さん(ビアンカ)のことがずっと好きだからまだ聴力が残っているようで嬉しかった。もう厳しいかと思っていた。夫婦でラブラブなのは嬉しい。ただ前作でのビアンカの扱いは今も納得いってない(ここに書いてたやつ)。娘ちゃんは元気に成長してるようでなにより。絵を突然破られたシーン全然意味わからないんですがからかわれてるってこと?金持ち&有名人の娘だから?ニュアンスが理解できなかった…。誰か意味知ってたら教えて。俺たちは雰囲気で映画を観賞している。
追記:もしかしてこれ自体が「黒人差別社会」の表現ってことか…?日本だとなかなか触れないタイプの差別方法でピンときてなかった。
握手してる写真の男はデイムが指示してドラゴを襲わせたってことだよね?ドラゴ元気に復活してくれ…。ちょっとこの辺ロッキーシリーズへのリスペクトが薄い気はします。ドラゴJr.の扱いが雑なんだもん。


作品の演出としては、ボクシングシーンのドジャー・スタジアムの観客を全部なくして二人だけの戦いみたいにするシーンが私と解釈違いで、構図やカットも含めていわゆるアニメとかでよく観る演出なんだけど、ロッキーシリーズからずっと受け継がれてきた「試合さながらのボクシングシーンをそのまま魅せ、そのファイトの姿で各キャラクターの心情を描ききる」という大好きなあれが喪われていて…ヤダーッ!あの演出が観たいの!!!!となりました。だってなんかしらん精神世界みたいなところで二人で戦ってたら気付いたら11ラウンド終わってるんですよ。ツクヨミじゃないんだぞ。違うの!その11ラウンド終えるまでの一瞬ハイライト(お姉さんがボード持ってうろつくやつ)がヒュンヒュン入るやつが好きで…それすらなく急に「11ラウンド終了!」はマジで意味不明なの!ボクシングを見せてくれよお!!!ただマイケル・B・ジョーダンがほんとにアニメが大好きなのは分かりました。
前作のボクシングシーンがすげー眠かったのでそれよりは良かったけど、精神世界演出だけは解釈違いだったな……

あとここでドジャー・スタジアム開催なのは冒頭のジャッキー・ロビンソンからの流れですね。ここで黒人同士がボクシングの試合に出場し客席も満員になる演出。白人に頼らずとも生きていける世界。これがアメリカでどう評価されてるのかはよく分かりませんが、 マイケル・B・ジョーダンは黒人として黒人の物語をこれからも紡いでいきたいんだなあというのは伝わりました。私としては「それはそれで黒人しか出ないと今白人がやって問題になってるやつの二の舞いなのでは?」感が少しあるんですけど、それは途中でメキシコ人挟んだしセーフみたいな感じなのかな。いま白人の物語多すぎるから黒人の物語ガンガン投入してってもバランス取れる感じなのか?アメリカ社会の実情が良くわかりません。なんか本でも読んでみるか?

試合後、はっきりと「既にリングを降りた」演出で終えるアドニス・クリード。クリード2のロッキーが作品から降りるシーンもかなりわかりやすく描写してたけどアドニスもわかりやすいな。今後は普通に考えたら娘ちゃんが主人公の作品が続編になりそうだけど…


短編アニメ「クリード SHINJIDAI」

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マイケル・B・ジョーダンが日本のアニメが大好きでリスペクトしてくれてるのは一応伝わってくる。伝わってくるけど、上記のようなクリード3本編を見た後に急に「2115年、火星に移住した人類は争いがどうのこうの…(うろ覚え)」的な説明のあとサイバーパンク2077とかサイバーパンクエッジランナーズみたいな世界観のアニメを超早足でのっけて「お前がクリードだなんて認めねぇ!!」とか叫んでるのはマジで意味不明なんですよ。明らかにこれエヴァで見た!!!ってなる棒が突き刺さってる大量の墓シーン、火星移住計画どうの(トータル・リコールか?)、よくわからん超能力で身体に文様が浮かび上がってくる演出、サイバーパンクな世界観なのに一応リング置いてボクシングしてるキン肉マン王位争奪編みたいな見た目……マジでクリード3の本編が全部頭から吹っ飛ぶレベルには衝撃的でびっくりしました。「シンジダイ…」じゃないんだよ。たしかに新時代ではあったが……
「こんなところでいつまでも生活しててもどうにもならねぇ」みたいな事言うSFサイバーパンクカースト最下層生活、マジでエッジランナーズで5億回くらい見たんよ。これ日本限定上映って本当ですか?全員この衝撃を味わえ。全員クリード3を劇場で観ろ。

にしても客入ってなさすぎて2週間ちょいで終映しそうなのが…。ロッキー助けて!!!!

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