「あのこは貴族」読んだ
激安大衆居酒屋店の便座が上がったトイレにドン引きして帰宅するような、どこでも即タクシーに乗りまくるような華子がそこから数年で地方巡業マネージャーこなせるかよ!?地方のトイレなんて場所によってはドン引きトイレと似たような状態だろ!?とは思ったけど話の流れ自体は好きだった。こんなに「絶対うまくいかないだろ」ってなる結婚式もないけど。映画『来る』の結婚式並みにうまくいかないだろ感あった。
にしても華子会話しても全然おもんなさそうで、その解像度をこんなに高く出力できることに驚いた。何もない人間をリアルに描写するの難しすぎないか?マジで何もないから…。
私はスラム出身なので、冒頭の正月の帝国ホテルで出てくるあらゆる高級メシが全く想像つかず、各種ブランド品の鞄デザインも思い付かず、ファンタジー小説を読んでるような手応えで笑った。でも実在するアイテムだから検索したら答えが出るんだよなあ。
子供を作ってどうにもならなくなり終わる、みたいなオチでもなかったのは良かったけど、幸一郎は幸一郎で子供作る気ないとかも言ってて擦り合わせゼロすぎて笑いが出た。再生産したくなかったのか?自分を。言うて32歳だけど。そこら辺の現実感はあんまりなかったのかな。この辺の年齢シビアになりそうなのに。
あと最後華子が地方巡業手伝いして自分の人生謳歌してるの、こういう御家庭に生まれて金があるから、“貴族”だからできる選択肢だろというオチでそれはちょっと面白かった。貧民には絶対に選べない選択肢チョイスして今の人生は楽しい〜つってるの、結局この階層は変わらんという現実に引き戻されていいよね。嫌味ったらしい感想だなあ!畳む