君たちはどう生きるか感想(ネタバレ含)
全然おもんなくてよかった。最近の宮崎駿作品は完全にアバターシリーズを観に行くときと同じスタンスで行ってるんですが(現時点でのアニメーションの最高峰の確認)見事に全然おもんなかった。
これはデスストでも言ったけど私は「母親、妊婦、女」という存在が「母親、妊婦、女」だというだけの理由で『強い者、神に限りなく近い存在、神聖な存在』とかそういう風に描かれてるのが心の底からめちゃくちゃ嫌いなんですが、一つの抜けもなくその描写がゴリゴリに満載で良かった。駿はそういう信仰あってなおかつ好きなんだな!私はマジで嫌いだけど!!ってお互い再確認できる感じが。
「風立ちぬ」も同じ風潮はあって、キャラ名忘れたけど体弱いお姉さんの描写にその辺を感じてキモ……とは思いましたがそのキモさを隠すことなく美しく描いてる感じが好きだったのでそれはそれで。
父親による金持ちの成金演出(300円学校に払ってきたあたり)、急に腹に手を当てさせる継母、あまりにも配慮ゼロの毒親やんけ…(そもそも母親亡くなって1年後に既に腹の中で胎動してるレベルの妊娠って…)にはなりましたがこのあたりは宮崎駿の幼少期のアレコレがあると思うので「まあ、そう」という気持ちしかわかないな…スラダン映画でりょーちんの親父の写真が最後まで出てこないのと同じだよね。作品を創ることで自分を慰めてる系の…それでいいと思う、宮崎駿の作品発表規模がこのレベルになってしまうというネックはあれど…
あと徹底的にカタルシスを避けてるっぽいのは気付いたけどあれはMGS2とかと同じような理由なんだろうか?
それにしても主人公に自分の追体験させた上で作中での実の母に「いつか死ぬとしてもあなたを産めるなんて素敵!!」って発言させるのマジでキツイな〜〜!!!この作品を覗き込む時、自分の家族、特に両親との関係も同時に覗き込むことになるので嫌な人は本当に嫌な映画だと思う。でも宮崎駿というネームバリューでここまで世界に広まる。コントロールできないバケモノとしての宮崎駿作品…
それにしてもカーチャンが亡くなって妹が同じような美人女だったから成り立ってるけどそうじゃなかったら「いや厳しいよ…」って親父が拒否ってたのかなとか、当時(戦時中)はこういう婚姻ゴリゴリにあっただろうからな…と流すか、悩むところですね。そういうのも含めてほんとに女体信仰が嫌いなのですが…人間として絶対に描こうとしないから…
ヒミと会うの初見なのに問答無用で助けてくれたのは母の愛があるからとかそういうことなんでしょうが…母からの無償の愛演出…ウワーッ!!!
書くの忘れてたけど夏子に拒絶された眞人が「夏子母さん!」って呼ぶことでなんか物語がいい感じになる流れもキツすぎて笑った。母親信仰の頂点みたいな演出!
とりあえず「ジブリ後継者は俺しかいない。だからこの夢は終わり」っていう破壊と崩壊が見られたのはよかったな。あとずっとアニメーションは世界最高峰でした。何をどう描いたらああいう画になるんだろうな……畳む

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